ご家族の集い第2回
- 2011.08.18
- 日記
住吉病院で行っている家族心理教育シリーズ第2回「治療に参加するために」を開催しました。
お盆休みにかかろうという日程でしたが、11家のご家族の皆さまにお集まりいただきました。今回は、ご家族は、私たちにとって良い治療の成果を得るために大切なパートナーであって、ご家族の負担を減らし、元気になっていただくことが、ご本人の治療にも良い影響を与えることが期待されているというお話でした。
なぜ、ご家族に心理教育が必要だと考えているのかというと、
・発症により家族が受ける精神的、物理的負担は大きい
・偏見の中でのご家族の孤立があり、ご家族にも支援が必要であること
・早期退院や地域生活推進により家族負担の増大がもたらせる場合があること
・ご家族はご本人のケアにおいて一番の専門家である
・ご家族へ必要な情報提供が不足していたこと
→疾患の知識がないまま、長期間病を抱える当事者の対応をしたため、再発を防げないでいた
(EE研究で実証)
などがあげられます。
ご家族が孤立し、負担が増大してくると、ご家族には感情的にさまざまなパターンの言動がみられるようになると言われています。次のような感情表出(Expressed Emotion:EE)が多くみられることを高EEと呼んでいます。
・ご本人への批判的コメント
・ご本人への敵意
・自己犠牲的または過保護な行動
退院後に高EEの家族と同居されているご本人の再発率は、低EEの家族での再発率よりも高いことが知られています。裏を返せば、ご家族がご本人の症状などで困難を感じていることを示す高EEという行動パターンを減らすことで、ご家族は治療の成果をより良いものにする力をお持ちだということになります。
ご家族が、ご自身の困難軽減やしあわせ志向にむけた支援を得たり、ご本人へのよきアドバイザーとして共に生活していくことが重要であることが再認識され、ご家族の集いでは、ご家族同士による問題を抱えながらもうまく生活をしていくための工夫が話し合われています。
全国組織としては”みんなネット”という団体があります。→ http://seishinhoken.jp/
「心理教育」ご家族の集い、第3回は9月3日、「薬をうまく使いこなす」です。
<開催時間> 13:00~16:00
<開催場所> ケアセンター
<参加費> 資料代がかかる場合があります
ご利用者さまのご家族以外の方の場合は別途お問い合わせください
詳しくはこちらのチラシをご覧ください→http://homepage3.nifty.com/recovery/shoko/kazokutudoi.pdf
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お問い合わせ 公益財団法人住吉偕成会
電話:055-235-1521(代表)
家族心理教育担当 中谷(医局)/野沢(デイケア)/望月(医療相談室)
ホームページからのお問い合わせはこちらをご利用ください→http://www.sumiyoshi-hp.or.jp/mail.html
最後までお読みいただいた方、どうもありがとうございました。
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