CGKモデル

IPS援助つき雇用(IPS model supported employment)の論文を読んでいたら、CGKモデルという支援に出会いました。これはChoose-Get-Keep モデルというのが短縮されていない名称です。IPSが1990年代から開発されてきた支援法であるのに対して、CGKモデルの論文はDanley & Anthony (1987)のものがあるようですが、Boston Univ にあるSupported Employment for Adults with Psychiatric Disability: Results of an Innovative Demonstration Project.によれば
CGKモデルの構成要素は次のようなものだそうです。
【職業選択アクティビティ】
  職業の目標を決める
  職場を決定する
  スキル開発
【就職アクティビティ】
  職場開拓
  訓練抜きの就職
  Service Coordination
Keeping Activities
  Decision-making
  Placement support
  Employer Consultation

IPS援助つき雇用に似た面が多いと感じましたが、Bond(2008)のレヴューによれば、CGKモデルは、直接的な競争的雇用に重点を置くよりも、職業訓練前のキャリア・プランニングを重要視している点でIPS援助つき雇用とは異なっている(Anthonyらは援助つき雇用としている)としていました。

援助つき雇用にはIPSモデルのほかにも

・enclave(企業内に障害者のチーム・部署を創設する)
・work station(企業内に独立の作業所的な施設を作る)
・mobile work crew(チームを組んで、注文に応じて車で出かけて作業する)
・transitional employment(過渡的雇用=企業と契約を結び3~6ヶ月間2人ペアで企業で働く)

などがありますが、それぞれの個人の好みに適した援助が必要であるのだろうと思いますし、援助法とのマッチングもまた重要であると感じました。

最後までお読みいただいた方、どうもありがとうございました。