16年
- 2011.01.16
- 日記
1995年1月17日、阪神・淡路大震災が起こりました。あれから16年。今年もこの日を迎えました。
あの未曾有の災害の後、突き動かされるような感情に連れられ、生まれて初めての医療ボランティアとして歩いた東灘のひびの入った道。倒壊したたくさんの家々・ビル・阪神高速。歩道橋に張られた「私たちは見世物ではありません」と手書きで書かれたポスター。人はほんの偶然の出来事から「持てる人」と「持たざる人」が決まってしまうこと、だからこそお互いを大事な人であることを忘れてはならないと心に刻みました。
あの体験は私自身の今までのあり方に大きな影響を与えてくれた経験であり、多くの方から「人はリカバリーすることができるのだ」ということを教わりました。その根本に希望が必要であることも知らされました。
当時、建物が全壊してしまい、公園にある仮設の作業所で互いを支え合っておられた御影倶楽部の皆さまは、今、社会福祉法人木の芽会さまを設立され、地域での幅広い活動を展開しておられます。
このご縁で知り合い、尊敬できる友人としてさまざまな学びをいただきながら、2000年12月に若くしてこの世を去られた安克昌先生は「回復した人に、私は一種崇高ななにかを感じる」と教えてくださいました。また、個人のリアルな困難という体験による傷つきが心の傷に単純化されたり、その回復には心のケアが必要と即断することや、当事者の立場の方の苦しみ=専門職の支援という短絡的な図式を作ることの危うさを指摘されておられました。
今年も、こころのよりどころであるこの本を手にし、個人としても法人のスタッフとしても、原点を思い出して活動をしようと思いました。
末筆ではありますが、震災でお亡くなりになられた方々のご冥福をお祈りいたしますとともに、今なおこころの傷つきからの回復の道をたどっておられる方々の平安をお祈りいたします。
最後までお読みいただいた方、どうもありがとうございました。
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