山梨県立大で授業をしました

さる12月8日、山梨県立大学保健福祉学部で「精神保健福祉論?氈vの講義をさせていただきました。

今回もテーマは「リカバリーってなんだ?」で、大学からのご要望にお応えする形で、住吉病院デイケアで行われている「心理教育」プログラムに参加されているメンバーの方と一緒に、私を含めて計8名で大学の授業に取り組ませていただきました。

 

最初に、私の方で健康/ウェルネス、そしてリカバリーについての概要をお話し、メンバーさんも交えて、困難から人がリカバリーして行くのはどういったときなのか、どういった状態になると「リカバリー」が実感できたと感じるのか、などを考えました。病いという困難をひとたび得たとしても、そこから学び、困難で自分を磨いていくことができる、ということがお伝えすることができたでしょうか。「リカバリー」という言葉は医学や福祉学の学術用語ではない、ちまたにある言葉であって、病いをなおすとか、障がいを認める、ということとは文脈が違うということが伝わっていたとすれば幸いです。最後に、私をサポートするためにご登壇いただいた方による講義録をお示しいたします。

「リカバリー」にリラックスの観点からアプローチする

 先日、NHKテレビ午後7:00のニュースの終わりに、クリスマス・ツリーの話題が流れて、それを見た人が、インタビューに答えて、『元気になります。』と言った。美しいものを見た、ある種の驚ろきから来た感動が、その人の気分高揚に作用する。そういう風景が、ときどき、どこでもある。ちょっとしたキッカケによって人は、リラックスできる。それをリカバリーにつなげられないか。いや、それ自体が、リラックスではなく、リカバリーなのだ。そうしたリカバリーへの知恵を普段から考えて見てはどうか。
 ここで、1つ言及しておきたいことは、人間は、精神の高揚をもたらす感動を食べて、消化して生きている、ということだ。映画を見るのも、ゲームに勝つ快感を求めるのも、1つの感動を求めている。美しい物(芸術)を見たり、おいしいものを食べたりするのも、その1つである。
 近年『癒(いや)し』であるとか『ストレス解消』という言葉が出てきましたが、心の傷、飢えであるとか、精神の衰退を回復させる意味あいを含む言葉です。つまり、『癒し』のために必要なものの条件というのは、とっても精神的なものである。心に起因するものであるという認識を提示します。
 
 リカバリーのための精神作用には、2つの種類が考えられる。つまり、
 やすらぎ(静寂性のもの)と感動(動きのあるもの)
  精神のやすらぎは → 安定 につながり、
  〃 の感動は   → 高揚 につながる。                         以上

2010.12.8  岡本裕雅

最後までお読みいただいた方、どうもありがとうございました。