創発という考え方
- 2010.10.15
- 日記
最近、長峰敬彦先生に「創発」という言葉を教わりました。
創発(そうはつ、emergence)とは、部分の性質の単純な総和にとどまらない性質が、全体として現れることである。局所的な複数の相互作用が複雑に組織化することで、個別の要素の振る舞いからは予測できないようなシステムが構成される。
この世界の大半のモノ・生物等は多層の階層構造を含んでいるものであり、その階層構造体においては、仮に決定論的かつ機械論的な世界観を許したとしても、下層の要素とその振る舞いの記述をしただけでは、上層の挙動は実際上予測困難だということ。下層にはもともとなかった性質が、上層に現れることがあるということ。あるいは下層にない性質が、上層の”実装”状態や、マクロ的な相互作用でも現れうる、ということ。
「創発」は主に複雑系の理論において用いられる用語であるが、非常に多岐にわたる分野でも使用されており、時として拡大解釈されることもある。
となっていました。
私たちのメンタルヘルスの分野における実践は、日々の個々の業務の積み重ねがあって、それの集合としての組織は単純な足し算ではない力を発揮することがあると感じています。目標を誰かが設定して、組織の構成員を歯車として役割を果たす存在に割り当てるのではなく、多くの人の力によって「化学反応」を期待するものと似ているように感じます。一人一人のリカバリーの体験を集めて行くことによって社会に思いもよらぬ影響を与えることがあるのだとしたら、私たちにとってそのことは望外の喜びになるでしょう。メンタルヘルスの分野における”創発”、たくさんの人たちの実践とつながっていきたいと思っています。
最後までお読みいただいた方、どうもありがとうございました。
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