当事者サービス提供者
- 2009.07.30
- 日記
最近、とあるきっかけで「当事者サービス提供者(Consumer Providers)」という概念を学びました。
当事者サービス提供者(プロシューマー:prosumerという言い方もある)の活動とは、当事者相互の支援(peer-to-peer)だけではなく、以下のように分類されるとされています。
当事者サービス提供の分類
1.当事者運営サービス(Consumer Operated Services; COS)
サービスの計画、実施、運営管理、評価のすべてにわたって、当事
者が主体になって行うサービス
2.当事者パートナーシップ(Consumer Partnerships)
サービスは主に当事者によって提供される。サービスの運営管理、
予算作成・管理は、非当事者と共同で行うサービス
3.従事者・スタッフとしての当事者(Consumers as employees)
サービスを提供する多職種チームの一員として、当事者スタッフが
参加する
4.セルフヘルプグループ(Self-Help Groups)、ピアサポート活動
精神疾患や精神保健福祉サービスを利用した経験を共有する当事者は相互に支援や励まし、希望、助言を提供できるとされます。したがって、サービス提供者としての当事者は次のようにその経験を力として活用することができる。
・同じ経験を共有する人たちの行動やスキルを変化させるきっかけとして活用できる
・当事者とサービスをつなぎはじめる関係づくりの能力が高い
・同じ体験を持つものとしての情緒的なサポートに優れる
・体験から互いに気づき・学んでいくという相互的な学習プロセス(特別な情報や視点)を提供できる
・希望にまだいきあたっていない人に有能な役割をとることができるということを伝えられる
・自身の活動から、希望やモチベーションの気づきを得る機会を与えることができる
・ヘルパーセラピー原則~他者を援助することは自分自身が回復し成長する助けになる
(Solomon P, 2007)
ここでいう「活用」とは当事者サービス提供者が自分自身の経験を活用できることを指すのであって、支援者が当事者を活用できるということではないということが重要です。当事者サービス提供者も支援者も、それぞれの人がそれぞれ学んだこと(体験も勉強も)を出し合って、より良い方向に進んでいけばよいのだと思いました。
<参考>
Solomon,P:サービス提供者としての精神障害者当事者。ソロモン先生講演会2007年8月10日於東京大学
http://ioshima.com/a/Dr.Solomon%27sLecture_Aug10.2007.pdf
最後までお読みいただいた方、ありがとうございました。
(wrote:財団法人 住吉病院)