時計を作れ。

現在、法人内の各施設のさまざまな部屋には”HEART full メッセージ2008”が額縁に入れられて飾ってあります。私どもの日々の活動を支える理念として、本年から掲げられたメッセージです。

このメッセージは、法人の活動理念の中から紡ぎ出されたものですが、もともとの理念は理事長から下達されたものではありませんでした。今回の”HEART full メッセージ2008”を作る際も法人の内部で委員会を作り、文言を練り上げ、さらにその文言の名称についても法人職員の公募によって定めたものです。

私が以前読んで影響を受けた本の中に、ジェームズ・C・コリンズ/ジェリー・I・ポラス著/山岡洋一訳:ビジョナリー・カンパニー。日経BP社 という本があります。その中に書かれているビジョナリー・カンパニー(成功を収めている企業)になるための4つの基本的な概念とは

1.時を告げるのではなく、時計を作れ。
  すぐれた組織に必要なのは、「@@しなさい」と命令したり、商才にたけて一時的な利益を追求
  するカリスマ経営者ではない。強大な管理者が時間を教えるのではなく、みなが目にすることの
  できる時計を作り、ヒーローはなくても組織のひとりひとりが時計を見ながら活動できるようにする
  べきである。もちろん、「時計」とは言葉通りではなく、”思想”や”基本的価値観”を示している。

2.ANDの才能
  理念の実現か利益の獲得かといった二者択一思考をとらない。あえて二兎を追う、または一網
  打尽を追求する。なぜならば、利益を出し続けて発展することが理念の実現のためにあるから
  である。そのためには、チャレンジをして「良きものを残し、良くないものを捨てていく」ことが重要
  である。

3.基本理念の維持と進歩の促進
  素晴らしい短期的アイデアを実現したり、業績を上げることよりも、理念の実現に忠実であり、
  それを実現できる組織を追究していくことが、長期間にわたってみれば、そうでない優良企業
  よりも大きな発展につながっている。そして業績に対する目標達成意識よりも、今日は昨日より
  も少しでも進歩しようとする。つまり、満足の中にひたる時間が短い。

4.一貫性の力
  基本理念を常に優先し、外的環境に左右されないという個々のスタッフの意識、一丸となる
  エネルギーを最大化させるために、理念への立ち戻りと忠実さを求め続けていく。形の上での
  「和」ではなく「理」に基づいた団結・一体感が重要である。

となっています。以前の職場にいる時に手にした本ですが、今でも時々開いています。

 

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(wrote:財団法人 住吉病院