科学とリカバリー

Lieberman JA,Drake RE,Sederer LI,et al.:Science and Recovery in Schizophrenia. Psychiatric Services 59:487-496,2008

最近、注目している雑誌”Psychiatric Services”の論文が目に留まりました。ネットではアブストラクトが読めます。私のはなはだあやしい英語力で読んでみると、次のようなことが書いてあったような気がしました。

最近の統合失調症に関する介入研究は統合失調症を持っている人々がリカバリーのそれぞれの領域において不均一であることを示しました。そして、リカバリーのさまざまな領域はお互いから相対的に独立していることを明らかにしたそうです。

現在の「介入」は病気や機能の特異的な側面のために効果的で、通常は病気を治癒させるというよりはむしろ軽快に役立ち、すべての患者に有効というわけではないことが研究によって示されています。

したがって、著者は包括的によりもむしろ特定の領域の改善に関してリカバリーを定義することを提案します-例えば、「認知機能のリカバリー」または「職業機能のリカバリー」のように、特異的な領域の改善を意味するように、という意味合いです。

リカバリーの多様な側面とは、病態生理学、症状、認知機能障害、QOLと自己決定権を含んでいます。リカバリーの操作的定義は、脳の科学の重要な進歩とともに希望とリカバリーのかけ橋となることを許すでしょう。将来の臨床的/神経科学研究とサービスの発展は、統合失調症を持っている人々の転帰において、リカバリーの尺度を強調しなくてはならない。

論文をながめて、「リカバリーとは何か?」ということについて、私たちはもっと真剣に、もっと深く、もっと謙虚に考えていかなければならない、と思いました。

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(wrote:財団法人 住吉病院