気分障害1

院長による勉強会は「気分障害」に入りました。気分障害とは、うつ病性障害の群と双極性障害(昔の言葉で言う躁うつ病)にわかれます。今回はまずうつ病性障害のお話をしました。うつ病は「心の風邪」というキャンペーンで、一般的にも広く知られるようになり、障害罹患率が10%以上といわれるようになった精神疾患です。   

 

症状のうち重要なものは「1日中気分がふさぎこんでいる」と「今まで好きだったことに対して興味がもてなくなる」ことが2週間以上続くこととされています。そのほかにも多くの症状があります。

うつ病は、適切な抗うつ薬治療、環境調整、休養とリハビリ、の3つが治療の重要な柱とされています。抗うつ薬では、新しいタイプの薬・SSRIやSNRIと呼ばれるものと、三環系抗うつ薬があります。新しいタイプの薬はこれまでのものと比較して効能が優れているということではないかもしれませんが、副作用が少ないことが抗うつ薬治療の幅を広げたと考えられています。 

  

うつ病の典型的な経過は、治療により3~6ヶ月で回復するといわれていますが、再発率が50%内外と高いために、維持治療(予防的な治療)が大変重要で、「良くなったからすぐ薬をやめる」ことは好ましくないといわれています。うつ病からの回復には段階があり、まず”楽しみ”、ついで”体調や行動の回復”、最後に”意欲や気分”が元に戻ってくるこいわれています。

  

回復は「らせん階段状」あるいは「三寒四温のよう」といわれており、一進一退にみえることがありますが、徐々に良くなることを理解しておくことが、質のよい療養生活を続けるために重要です。

上記スライドの画像の出展は:UTU-NET(うつネット)http://www.utu-net.com

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(wrote:財団法人 住吉病院