リカバリー2

リカバリーの概念は近年のメンタルヘルス分野の基礎となる概念と思います。

 

「どんな状態の人であってもリカバリーすることを”信じる”こと」が何より大事だとされています。このためには、クライエントも、支援者も、双方が希望を持つことが必要になってきます。

リカバリーの段階には次のようなものがあります

 1.希望
 2.エンパワメント
 3.自己責任
 4.有意義な役割

これも、利用者の方にだけ起こることではなく、私たちスタッフにも起こるリカバリーの過程だと思います。そして、今後は「希望を喚起する力」が必要になってくると思います。たとえば、包括型地域生活支援の方法としてAssertive Community Treatment:ACTというものがありますが、この臨床活動を通じてはACTの”理念”を軸としたチームでの実践が必要になります。そこでは、多職種スタッフによって議論されるべき点がいくつかあります。たとえば、

 ・従来のサービスとの違いや自分自身の意識変革について
 ・リカバリーと危機介入のバランス
 ・バウンダリーと職業倫理のバランス

などです。

そこから得られたリカバリーを促進する人材に必要な支援理念と技術とは

<支援理念>
 障害があってもリカバリーできるという信念

<支援技術>
 同等のパートナーとして利用者と向き合うことができる
 利用者の希望を尊重する
 本人重視・尊重
 スタッフと地域との連携も大切である
 希望を伝達して本人のやりたいことを伝達していく

<支援に役立つスキル>
 モチベーショナル・インタヴュー(MI)/弁証法的行動療法(DBT)
 研修の企画や実施に当事者に入ってもらうことも有効

などとされています。

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(wrote:財団法人 住吉病院