リカバリーその1
- 2007.10.18
- 日記
昨日も院内勉強会をさせていただきました。今回からは院長が大切にしている「リカバリー」の概念についてお話しするシリーズです。昨日も30人のスタッフの皆さまに集まっていただきました。
医療保健福祉をめぐる近年の動向は
1.障害種別に分けない政策
2.ICFによる障害の構造を共有して、医療と福祉を再統合する
3.支援については生物学的知見と心理社会学的知見を統合してあたる
4.施設ではなく生活する場における支援が中心
5.多職種・多領域間のチームアプローチが重視されている
6.当事者や利用者とのパートナーシップを重視する
当法人では自然に行ってきたことですが、あらためて自分たちのあり方が近年の動向に合致したものであることがわかりました。もちろんリカバリーを目指すにはチームワ-クが必要です。
アメリカにおけるメンタルヘルス政策の変遷についていえば、
1960,1970年代には症状をコントロールして安定した地域生活が目指されました
1980年代には、障がいをお持ちの方が社会的な役割を果たすために必要なリハビリテーションが重要になりました。
そして1990年代以降になると、自立し、生活の質を向上させ、意味のある人生を求めるリカバリーの概念が普及したのです。
現代におけるリハビリテーションが強調されるべき点は次のとおりです。
?@患者(利用者)中心主義
?A技能獲得に焦点化する
?B体験の積み上げから特定の訓練へ
?C地域における「普通の」環境で生活することの追求
?D段階的方法よりも直接的なアプローチが有効である
?E医療との統合が重要
?F偏見対策など社会的政策も整備する
次週は夜に会合が入ってしまってお休みになりますが、またこの続きをお話していく予定です。スライドはまだまだたくさんあります(笑)。
(wrote:財団法人 住吉病院)
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