精神科チームアプローチ2
- 2007.10.05
- 日記
昨日の勉強会では、前回「早くてよくわからなかった」というご意見をいただいた「精神科チームアプローチ」について、もう一度お話しさせていただきました。
気分も新たに、スライドも見やすく作り直しました。
精神科における支援では、医師や看護師だけが医療の場面で支援を行うのでは不十分なことは明らかです。実際に病いの症状を取り去ることだけを焦点にあてるのではなく、PSW、OTR、薬剤師、心理職、管理栄養士、ヘルパー、福祉事業所スタッフ、ジョブコーチ、ピアワーカー、事務職、そして地域のスタッフの方々などなど、実に多くの方が利用者様の回復のために支援をしなくてはなりません。
これらの、さまざまな職種によって構成される支援のためのチームは、「多職種チーム」と呼ばれてきました。しかし、これからは、それぞれの職種が別々に専門領域だけの技能を発揮するのではなく、チーム全体が利用者様の個々のニーズに即応できるようなチームのあり方が必要になってきます。
そのようなチームアプローチの仕方は「超職種チーム」と呼ばれています。超職種チームでは”ケースカンファレンス”などの開催は少なく、同じ職場に机を並べる間柄であれば、朝の申し送りや、ちょっとした時間に情報を共有して、支援を進めていくことが可能になります。
そして、利用者様も支援計画作成に参加して決定に関与することが重要です。これらを推し進めていくと、ACT(Assertive Coomunity Treatment:包括的地域支援)にいたるのではないでしょうか。
新しい精神科の支援法は、横文字で語られることが少なくありませんが、実は新しい言葉で表現することは「これまで、私たちの先輩たちが築き上げてきた”一丸となって支援する”方式に額縁をつけて飾る」ことだと思うようになりました。理念や心情、そして伝統を示す言葉を共有し、その言葉を旗としてたて、これからの世代につなげていきたいと思いました。
(wrote:財団法人 住吉病院)