うつ病のプライマリケア

厚生労働省は、今年度から急増する自殺への対策の一環として「うつ病」の早期発見・早期治療に力を入れることになりました。ところが、精神科医の不足は深刻で、かかりつけ医にそのプライマリケアを担ってもらいたい、という意向だとききました。

うつ病の症状は、大きなものとして2つあります

○ 一日中気分がふさぎこんでいる

○ 今まで興味のあったものに興味がもてなくなる

これにさまざまな症状が重なり、重症になると自殺につながるような状況になります。このため、早期の治療が必要とされているわけです。また、一口に「うつ病」といっても、その指し示している守備範囲はいろいろで、おおむね4つのタイプわけがあるそうです。

1.生真面目、ゆううつ、自責的などの「メランコリー型」

2.うつとは逆の「そう状態」がある「双極性障害」

3.重症ではないが、ゆううつが長く続く「気分変調症」

4.典型的なうつの症状だけではない「非定型」

このうち、1.のメランコリー型は抗うつ薬が非常に有効です。ただし、治りかけに自殺行動が出現することがあるため、逆に改善の兆しが見られた場合には慎重に経過を見守る必要があります。日本のうつ病に対する薬物療法では、抗うつ薬を十分量処方していないことが多く、これは好ましくないとご指摘もいただきました。

実は、わが国の「うつ病の治療ガイドライン」では、山梨大学医学部の本橋伸高教授が実証的研究の第一人者いらっしゃいます。平成14~16年度の精神・神経疾患研究委託費「感情障害のガイドラインを用いた臨床実証的研究」では、その総括研究報告を出しておられます。

報告書はこちらでご覧になれます。↓

http://www.ncnp.go.jp/ikiru-hp/report/motohashi16.html

いろいろな皆さまのお力添えを受けて、今後とも地域や県内の皆さまのお役に立てるように努力していきたいと思っています。

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(wrote:財団法人 住吉病院