やまなしダイアローグの会のお知らせ

 「オープンダイアローグ」はフィンランドの西ラップランド地方にあるケロプダス病院におけるチームにより実践されるようになった、革命的かつシンプルな新しい精神療法といわれてきました。

 その方法は非指示的で非介入を原則としたミーティングです。精神的困難を持つ人、その人の周りにあるネットワーク圏にいる人たち、ご家族や友人や知り合いや同僚に加えて専門家がグループミーティングをする中で対話を繰り返すもので、特異なのは目的は対話そのものであり、治癒はその副産物としてもたらされると考えられていることです。対話のルールで最も大切なのは応答することで、誰の発言も「なかったこと」にはされないことです。その応答は指示的なものであってはならず「開かれた対話」であることが必要とされます。対話でない語りはモノローグ/独白であり、指示することもモノローグです。そして、当事者のいない場所では何も決めないという原則があります。
 

Joonas Lyytinen – 投稿者自身による作品, CC 表示 2.0, https://commons.wikimedia.org/w/index.php?curid=312884による

 「自由に話し合う」というやり方において、対立は不毛な争いであるとみなすのではなく、意見の相違を受け入れ、「議論」ではなく「対話」を通じて、それぞれの参加者の中に何かの変化が起きていく気がします。私はダイアローグに触れるようになってから、「自分」というものの輪郭とは明確で確固としたものではなく、そして、さまざまな場面で内面からものの見方の癖によって他者との関係性の中に自分が立っているということを感じるようになりました。

 今、世の中にはさまざまな正義があり、不寛容が強くなりつつあると思います。メンタルヘルスの分野では「支援者」と「利用者」の対立もありますが、軋轢を棚上げすることを「対話」だとすることや、意見が違うことを理由にして排除し、「対話」の場には意見が近い人たちしか登れないとすることでは変化はおこらないと思います。オープンダイアローグとは、十分にトレーニングされた専門家がリードするものですが、それは単なる治療や問題解決の技法ではなく、それぞれの人が、その歴史的に背負っているものも含めた人生を伝え合うことによって新たな化学反応を創造するのだという理念・哲学であると感じました。

 当県には「山梨オープンダイアローグ学習会」が活動していましたが、コロナ禍の中、ながらく窮しておりましたところ、このたび山梨でダイアローグ(対話)を実践したい有志で新たに「やまなしダイアローグの会(仮)」を結成し、ダイアローグを実践されているファシリテーター2名をお招きして第1回の学ぶ会を開催いたします。
  

【日時】2022年3月26日(土)
    13:00-16:00
【定員】50名 
【参加費】3,000円
【チケット購入方法】下記のリンクをご参照いただき、Peatixより
          チケットをご購入下さい。
          zoomのURLとパスワードをお送りします。
https://peatix.com/event/3172965?fbclid=IwAR3ZJiAvjgFHB03teYSTNIh5OHPkauCb2D61CH3r8XCYiAdiBB04Ldm7sy4
【申込期限】3月25日(金)22:00
【使用ツール】zoom
・お問合せ・連絡先 yamanashidialogue@gmail.com

最後までお読みいただいた方、どうもありがとうございました。