トラウマインフォームド・アプローチ
- 2018.10.11
- 日記
トラウマとなる出来事を体験した人は、多くのサービス分野で見出され、中でも精神障害や物質使用障害をお持ちの方に過去にトラウマの体験をもつ方の割合が高いとされています。
このような方々に公的機関や医療・福祉サービスシステムが提供する支援がトラウマを引き起こすこともしばしばあるとされています。隔離や拘束、同意を得ないで行われる急な分離、侵襲的な医療処置、教育関連を含んだ施設・制度における厳格化されたルールの実行などは、過去に深刻なトラウマを体験した方々に心理的な再被害を与える可能性があり、こうしたプログラムや実践方針によって、支援の成果が期待されるほどあげがらないこともしばしばあります。このような公的機関やサービスシステムを利用する人の再トラウマ化は「通常業務」としてなされていることを考え直す必要があります。公的機関やサービスシステムでは、多くの人が様々なトラウマ歴を有しており、それが対応されないままであることは、健康やウェルビーイングの妨げになりうると理解されるようになっています。
最近まで、これらの人達が体験したトラウマへの対応方法や、多くの公的機関やサービスの枠組みにおける再トラウマ化の影響を軽減させる方法についての理解を深めることが、不可欠であるとは考えられていませんでした。しかし、現在では、トラウマの影響に加えて、サービスシステムがトラウマに関連する問題にどのような影響を与えるかが大きな注目を浴びるようになっています。これらのシステムは、トラウマインフォームドアプローチという枠組みにおいて、いかに「業務」をすべきかについて見直し始めています。
個々のトラウマは、3つのEの側面があるとされています。
・Event 出来事や状況の組み合わせの結果として生じます。
・Experience 身体的または感情的に有害であるか、または生命を脅かすものとして
体験されます。
・Effect 個人の機能・精神・身体・社会性、・感情またはスピリチュアルな幸福に、
長期的な悪影響を与えます。
トラウマが生じることや、トラウマの予防・軽減について理解していることがインフォームドであり、そのうえで回復への可能な道筋を知っているアプローチ法は、以下の主要原則にのっとっています
トラウマインフォームドアプローチの6 つの主要原則
1.安全
2.信頼性と透明性
3.ピアサポート
4.協働と相互性
5.エンパワメント、意見表明と選択
6.文化、歴史、ジェンダーの問題
精神科医療サービスにおいては、これらはリカバリー志向アプローチと多くの点で合致しており、私どもは自分たちの実践の場面においてトラウマインフォームドアプローチをすすめていこうと考えています。
詳しくはこちらをご覧ください→http://www.j-hits.org/child/pdf/5samhsa.pdf
最後までお読みいただいた方、どうもありがとうございました。
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