平成30年度診療報酬改定に係るこれまでの議論の整理(案)
- 2018.01.22
- 日記
さる1月12日、加藤厚生労働大臣は中央社会保険医療協議会に対し2018年度診療報酬改定について諮問を行いました。同日の協議会総会では「これまでの議論の整理(案)」が了承され、パブリックコメントが募集され、19日には公聴会が開催されました。今後は2月上旬に答申が出ると見込まれます。
手元にある平成30年度診療報酬定改定に向けて、これまでの議論の整理(案)において、精神科医療に関する項目から目についたものは次の通りでした。
※地域移行・地域生活支援の充実を含む質の高い精神医療の評価
措置入院患者に対して、入院中から自治体と連携するなどして退院後も継続した支援を
行う取組に対する評価が新設され、外来精神療法についても診療にインセンティヴが
つく方向性が示されました
精神科重症患者早期集中支援管理料については在宅時医学総合管理料等との関係を
整理するとともに、算定対象の拡大や評価の充実等を行う方向性が示されました
精神科複数回訪問加算と精神科重症患者早期集中管理連携加算の要件が見直される
ようです
精神科急性期治療病棟入院料等では在宅への移行先に介護老人保健施設および介護
医療院が追加され、高齢者の地域移行に診療報酬上の誘導がありそうです
※精神科救急入院料等における身体的拘束等の行動制限の最小化の取組を推進する
ため、看護職員の夜間配置に係る評価の新設が話し合われます
※精神疾患を合併した妊産婦に対して、産科と精神科、自治体の多職種が連携して患者
の外来診療を行う場合の評価が新設される方向の陽です
※医療従事者の専従要件については、緩和ケア診療加算等のチームで医療を提供する
ものや精神科作業療法等の精神科専門療法について、より弾力的な運用が可能となる
よう専従要件が見直されるようです
※向精神薬を処方する場合の処方料と処方せん料に係る要件を見直し、向精神薬多剤
処方の状態にある患者に対し、医師が薬剤師と連携して減薬に取り組んだ場合の評価
を新設する方向が示されました
具体的な点数に関しては答申を待ちたいと思っています。訪問サービスの重視と精神科医と薬剤師の連携は弊病院で取り組みを続けてきた部分でもあるので、診療報酬においてそれらへの評価が得られるのであれば幸いです。また、拘束を減らすための対応に診療報酬の後押しがあることもポジティヴにとらえたいと思います。
中央社会保険医療協議会 (中央社会保険医療協議会総会)の資料は厚生労働省の以下のページからダウンロードできます→http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/shingi-chuo.html?tid=128154
最後までお読みいただいた方、どうもありがとうございました。
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