【再掲】第59回日本病院・地域精神医学会

日本病院・地域精神医学会は、明日2016年10月13日と14日の2日間、練馬区文化センターで第59回総会を開催します。

総会ホームページはこちらをご覧ください→http://59-tokyonerima.sakura.ne.jp/

注:精神医療国家賠償請求訴訟研究会は日本病院・地域精神医学会とは別御組織です

大会テーマ:今、変えていく勇気
~病院を問い直し、地域を耕し 当事者と共に生きる社会を創ろう~

私は2日目しか参加できないのですが、興味のあるテーマをプログラムから探ってみました。
※あくまで個人の興味によるものです。

10月13日:
教育講演1 10:00~11:10
「薬物療法の功罪」(プログラムより抜粋)
田島 治(杏林大学名誉教授/はるの・こころみクリニック院長)
講師の田島治先生は、杏林大学保健学部教授(精神保健学)、同医学部精神神経科兼担教授を経て、杏林大学名誉教授。専門は臨床精神薬理学。多剤投与に疑問持つ患者さんたちのために杏林大学附属病院でセカンドオピニオン外来を立ち上げ、薬本来の効能を大切にする臨床実践で若手医師らを指導されてきたことはテレビ報道等でも有名。
薬理学を育ててきた立場から「くすり」を大切にすることが、服用される患者さんたちへの配慮であることが、その明快な語り口から響いてくるであろう。
主著に『抗うつ薬の真実』(星和書店2011)『精神医療の静かな革命 ― 向精神薬の光と影』(勉誠出版2006)。監訳書にヒーリー『ファルマゲドン―背信の医薬』(みすず書房2015)『抗うつ薬の功罪 ―SSRI 論争と訴訟』(同2005)ほか。

シンポジウム?「 14:00~17:00
「連綿と続く事件から人権を考える」(プログラムより抜粋)
 我が国の精神医療は、「事件」をきっかけにおおきなうねりを作ってきた。
 1964 年のライシャワー事件による精神衛生法改正、宇都宮病院事件による精神保健法改正、大和川病院事件後の大阪精神医療人権センターの発足等々…
 隔離や身体拘束による事件も、違法な身体拘束で患者が亡くなった貝塚中央病院事件。隔離室内での暴行で患者を死亡させた石郷岡病院事件など後を絶たない。精神科デイケアを使った管理ビジネスではないかと思われる動きもある。
 このような重大な事件などが起こる背景にはどのような問題があるのか。その構造を明らかにしながら、人権が守られた医療、福祉を実現するための方策を模索する。
シンポジスト: 精神科病院内の事件で、家族を亡くされたご遺族の方
シンポジスト:大河内 知彦(医療扶助人権ネットワーク)
シンポジスト:田中 直樹(あおば福祉会 PSW)
シンポジスト:中谷 雄二(名古屋共同法律事務所 弁護士)
シンポジスト:山川 幸生(ひぐらし法律事務所 弁護士)

10月14日(金):
交流コーナー ?B 9:30~11:00
「精神障碍者と家族の権利擁護のための裁判闘争の意義と課題」
東谷 幸政(精神医療国家賠償請求訴訟研究会)
 精神医療国家賠償請求訴訟(精神国賠)の活動は、提訴直前の時期になってきている。 これまで、司法の場で闘われてきた、堀木訴訟をはじめとする生活保障や、ハンセン国賠、ハンセン家族による国家賠償請求訴訟などの権利擁護訴訟の歴史を振り返りながら、精神国賠の意義と課題について、検討したい。各地で司法の場を使って権利擁護の闘いをしておられる活動の交流の場としたい。

教育講演4 11:10~12:30
「当事者研究から見た痛みと支援」(プログラムより抜粋)
講師:熊谷 晋一郎(東京大学先端科学技術研究センター 准教授)
1977 年山口県生まれ、小児科医。2001 年東京大学医学部卒業後、病院勤務を経て、2009 年より東京大学先端科学技術研究センター特任講師、2015 年から同准教授。2014 年7 月に東京大学大学院工学系研究科先端学際工学専攻博士号取得。研究分野は、当事者研究の3 つの側面(仮説生成と検証、グループ運営技法、回復効果)に注目し取り組み。
新生児仮死の後遺症で脳性麻痺になり、車椅子を使用。幼児期から中学生時代までリハビリ生活の日々の中、小中高と統合教育を経験。
医学書院から、『発達障害当事者研究 ―ゆっくりていねいにつながりたい』2008、『リハビリの夜』2009(第9回新潮ドキュメント賞受賞)、『当事者研究の研究』2013。『つながりの作法 ―同じでもなく 違うでもなく』日本放送出版協会、2010、など著書。

薬剤師セミナー 13:30~15:30 ※薬剤師以外の方も参加できます
「精神科薬物治療における剤数制限と薬剤師の役割」
平成28 年度の診療報酬改定では、これまで、4 剤以上とされてきた、抗精神病薬、抗うつ薬についても3 剤以上に制限が強化された。さらに、薬剤を減量すれば診療報酬がつくことも追加された。この様な状況において、薬剤師、医師は薬物治療の適正化をより進展させる必要があるが、ユーザーの視点は最も重要である。そこで、今回はユーザーを交えて、精神科薬物治療における剤数制限と薬剤師の役割について検討したいと考えている。
シンポジスト: 小林 和人(医療法人社団山容会理事長・山容病院 院長)
シンポジスト:福島 泰輔(公益財団法人 西熊谷病院 薬剤師)
シンポジスト:山口 弘美(NPO 法人エスペランサ 当事者)

このほかにも、多くのシンポジウムや実践報告、交流コーナーのほか、初日の夕方には市民公開講座として「私たちがふだん心の中に隠していること」の題名で小池 真理子氏(小説家)が講演をされます。どうぞ皆様ふるってご参加ください。当日参加が可能になっております。

一般の方のご参加は当日参加費 10,000円(2日間)/5,000円(1日参加)
当事者・学生・家族は2日間参加費  2,000円(1日参加の設定はありません)

となっています。多くの方のご参加をお待ちしております。

最後までお読みいただいた方、どうもありがとうございました。