弊ブログが選ぶ今年の10大ニュース
- 2015.12.27
- 日記
今年も皆さま、大変お世話になりました。弊法人は今年もさまざまな活動をしてまいりましたが、今年1年を振りかえって、個人的に選んだ10大ニュースを発表させていただきます。
1.敷地内断煙活動開始
弊法人では精神科サービス利用者の方にも、身体科病院を利用されている方と同じくタバコの害からの解放を目指すための敷地内断煙活動をこの4月から開始いたしました。がん・肺疾患・ニコチン依存症ほかの精神障害や乳幼児突然死症候群などさまざまな悪影響を当人と周囲に与えるタバコは、精神疾患を悪化させるほかに一部の治療薬の効果を減弱してしまうことも判明しています。喫煙を無制限に容認することは、タバコの害に加えて向精神薬投与量の増大という2重の悪影響をもたらすと考えて、今後も同じ思いを持つ他機関や仲間との連帯を強めて活動を推進していく所存です。同時に禁煙外来もスタートし、これまで精神科診断名をお持ちでなかった方々にも依存症の観点からの治療を提供することにいたしました。これからも粘り強く病院内外での活動を継続していきます。
2.パリで同時多発テロ
11月14日、フランスのパリ中心部の劇場などで同時多発テロが起こされ、死者は129人にもおよびました。また、世界各国でIS(イスラミック・ステイト)によるテロが相次ぎ、さらに8月17日には私が好きなタイの首都バンコクでも爆弾テロがおこりました。一連のテロ事件の増加は、国家間の戦争とは関係なく市民が命を落としてしまうという「安全ではない世界」の到来」を感じさせられ、わが国の首都・東京でも同じようなテロが起こるかもしれないという恐怖をまざまざと感じました。ただ、テロの犠牲者だけが取り上げられがちですが、その裏には、ニュースでは取り上げられない、誤爆されて亡くなった人々も多数いることを忘れてはいけないと思います。
3.ラグビー日本代表の大躍進
ながらく、苦闘を続けてきたラグビー日本代表が9月から10月にかけて開催されたラグビーワールドカップ2015イングランド大会で、世界を驚かせました。過去7大会で白星は1991年のジンバブエ戦だけ、という屈辱をなめ続けていた桜のジャージがが、予選プール初戦の対南アフリカ戦で躍動!終了間際の逆転トライでスプリングボクスを34-32で破るというラグビーワールドカップ史上最大の衝撃を全世界に与えました。予選プール第2戦では中2日の不利な日程でスコットランドと対戦となり、残念ながら完敗しましたが、続くサモア、米国に快勝して3位となり、歴史上はじめて予選で3勝しながら決勝トーナメントに進めないチームとして、エディー・ジョーンズヘッドコーチの目指した「もっとも記憶に残るチームになる」という目標を達成することができました。その後の日本ラグビー界の盛り上がりは素晴らしく、2019年のラグビーワールドカップ日本大会に熱がつながっていくことを期待しています。
4.ノーベル賞大村智氏・梶田隆章氏
2015年のノーベル賞では、生理学・医学賞で大村智・北里大特別栄誉教授、ノーベル物理学賞に、梶田隆章・東京大宇宙線研究所長の2人の日本人が受賞しました。大村氏は、土の中の微生物から、途上国を中心に現在2億人以上が使う抗寄生虫薬「イベルメクチン」のもとになる物質を発見して医学に貢献、。梶田氏は、「スーパーカミオカンデ」を使った研究で、素粒子ニュートリノに質量があることを発見し、それまで物理学の常識を覆して、宇宙論などに大きな影響を与えました。大村智氏は韮崎の出身で、韮崎高校・山梨大学を経ていったん教鞭をとったのちに東京理科大学大学院に進み研究の道を歩まれました。その後は多くの業績をあげるかたわら、地元にも私費を投じて韮崎大村美術館や白山温泉を建てるなど、社会への貢献も大きな方です。大村氏の山梨県人初のノーベル賞受賞を心からお喜びいたします。
5.住吉偕成会還暦
公益財団法人住吉偕成会は、前身の財団法人住吉病院の病院開院以来、今年11月20日を持ちまして創立60年、人間で言えば還暦を迎えることができました。これもひとえに、法人のために尽力された、また現在尽力されている職員・関係者の皆様のお支えと地域の方々のご理解、そして私どもの法人をご利用されながら回復の道を歩まれた方々のお力にあると考えております。
暦を新たにして、私どもは開設者有泉信先生の建院の精神・「患者(今ではご利用者さま)優先の方針を貫き、心を合わせて地域精神保健福祉のために力を尽くしたいと思っています。入院期間のさらなる短縮のためのハード・ソフト面の充実、リカバリーの促進と権利擁護のための新たな仕組みについても考えを進めていきたいと、個人的には思っています。今後も皆さまのご援助をお願い申し上げます。
6.「安全保障関連法」可決
今年9月、「安全保障関連法」が賛否両論、多くの議論が続く中で成立しました。まだ国民の理解は進んでいる状況ではないと政府は答弁しながらも、従来の憲法解釈を変更することにより、現行憲法下でも集団自衛権の行使が可能だとして法案を強行採決によって成立させるという与党の強引ともとれる手法に対する反発も大きく、憲法解釈の観点において、時の政権の解釈拡大に限界を設定することの必要性が再認識されたできごとだったようです。
7.ヴァンフォーレ甲府J1残留
今年も、開幕前の予想では降格予想のチームに挙げられていました。序盤では守備が崩壊してまさかの6連敗、今年はさすがに無理かと考えられましたが、監督解任し佐久間GMが自らチームを率いる体制になったことが契機となり、さらにはバレー選手が9年ぶりに復帰してチームに活力を与えるようになってから盛り返し、10勝7分17敗 勝ち点37 得点26/失点43 の13位でシーズンを終え、4シーズン連続で来季もトップリーグで躍動する選手の姿を見ることができるようになりました。悪い予想は必要なかったのです。来シーズンは、前年比ほぼ倍増してしまった守備の再構築が必要と思います。
8.続く日本列島の火山活動
最近、日本列島と周辺では火山活動が活発化しており、昨年来桜島・阿蘇山の警戒態勢も続く中、箱根山では大涌谷の隆起があり、火口周辺が立ち入り委禁止になったり、口永良部島での火砕流をともなう噴火、浅間山の小規模愛噴火、桜島は噴火警報が発報されるなど、今年も火山活動が続いています。今のところ噴火の兆候はありませんが、富士山についても注視している必要があると思います。
9.東京オリンピック/パラリンピック、競技場・エンブレム問題
2020年開催が決定している東京オリンピックですが、ザハ・ハディド氏がデザインした新国立の総工費(実施設計段階の目標工事費)が当初予算の1300億円の約2倍となる2520億円に膨らむことが判明したのですが、JSC(日本スポーツ振興センター)はこれを押し通そうとしました。しかし最終的には国民の声に押されて、ザハ案は政治的に白紙撤回されるに至り、本年12月にようやく入札で1490億円の予定総工費の新競技場案が決定されました。
さらには、佐野研二郎氏がデザインした東京五輪の公式エンブレムも、数々の盗作疑惑にさらされて使用中止が決定、9月1日には撤回記者会見が行われました。
このような一連の不祥事の責任について、新国立競技場建設の事業主体であるJSCに責任があったのか、センターを所管する文科省にあったのか、コンペティションの安藤忠雄審査委員長にあったのか、東京五輪パラリンピック組織委員会にあったのかはっきりとされませんんでした。エンブレム問題でも責任の所在はデザインした佐野研二郎氏、審査委員、組織委員会のいずれにあるのかは不問で再コンペがおこなわれました。このような姿勢は公正を基礎とするスポーツを扱う部署としてはいかがなものでしょうか。
10.消費税率10%引き上げ決定
国家財政の再建のために消費税率を段階的に上げるという政府方針のもと、昨年4月に5%から8%に増税された消費税は、来年4月からまた10%に引き上げされることが決定されました。国の事業の見直しには大ナタが振るわれた痕跡はなく、オリンピックにも多額の資金が必要である中、増えた税収が社会保障・福祉にどのくらいまわされるのか、注目する必要があります。
次点:ネパール大地震9000人死亡
ネパール中部で4月25日、マグニチュード(M)7・8の地震がありました。余震も相次ぎ、合計で約9000人が死亡したとされています。ネパールでは非常事態が宣言され、インド、中国、パキスタンでも死者が出ました。ネパールにはもろいレンガ造りの建物が多いことが被害を大きなものにしたともいわれています。日本をはじめ各国から救援隊が派遣され、資金協力も行われました。しかしネパールでは新憲法を巡る与野党の対立などで政治の混乱が続いており、復興庁の設立は12月16日にようやく議会で可決されるなど、復興は遅れています。未曽有の大震災を経験した私たちは、また、アジアの仲間にも心をつないでいたいと思っています。私のかかわっている「よんもくWRAP」でもネパール地震への募金を会合の都度つのっています。
皆さま、来年もどうぞよろしくお願い申し上げます。
最後までお読みいただいた方、どうもありがとうございました。
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