島根での講演を終えて

島根での講演を終えからの、同僚の振り返りと気づきをシェアさせていただきます。

島根で出会ったのは、誰もが真面目で誠実な、それでいて親しみやすい方々でした。ご家族とは初めの懇親会でご一緒させていただき色々と積る話をしたのでした。その中で私が自分のこれまでの道のりの話をした時のこと、あるご家族がうっすら涙を浮かべていらっしゃいました。これは私の話に感動したのでも同情したのでもなくて、今までの苦労や、でも良かったことや、ご自身の大切なご家族のことを思っての涙だったように感じました。私の親や兄弟も、もしかしてこんなふうに私を思ってくれているのではないだろうかと、私が表だって言えないように、それはあまり表出されない部分なのだと、なかなか伝わらないようで実は伝わっているのだと、だから「家族」なのだと、思いました。本当に大切なことは人には言えない。家族だから言ってはいけないこともある。家族って、親って、兄弟って、なぜそういうことなのかが少し解ったような気がしました。私には家族がいます。親がいて、兄弟がいます。でも、家族が私をどう思っているかは聞いたことがありません。今後も聞く気はありません。たぶん、家族と思ってくれている、それだけだからです。懇親会で涙を浮かべたご家族に私は何も言えませんでした。その時の気持ちを労うことも癒すことも何もできませんでした。でも今思えば、その時のご家族の気持ちをそのまま受け取ることができたと思います。私に出来たのは後にも先にもそれだけでした。

島根での講演を終えて、私は「家族」を本気で思いました。私の「働いて元気になりました」は、働くことを自然のこととして受け入れ、周りに育てられながら元気になっていく私の成長の過程もまた自然のこととして受け入れてくれた、私の愛する家族へ向けた感謝のメッセージでもあることに初めて気がつきました。

島根で受け取った多くの「思い」は、私の胸に強く深く刻まれました。
今回私は「ご縁」があり島根の方々に出会いました。もう会うことは叶わないかもしれない。しかし帰ってきたことは別れではありません。空はつながっていましたから。だから見上げればつながっていることに気づくでしょう。分かち合った言葉や思いを胸に、それぞれがそれぞれの場所で別々の道を歩んでいくのだろうと思います。私はあの方たちから教わったことをずっと忘れず持っていたいと思います。

対話によってありのままの私を引き出してくれ、気づかせてくれた島根の方々に心から感謝します。

最後までお読みいただいた方、どうもありがとうございました。