幻聴妄想かるた
- 2011.12.08
- 日記
近頃、ちまたで話題の「幻聴妄想かるた」(医学書院)を購入しました。このかるたは世田谷区内にある精神障害者共同作業所「ハーモニー」ご利用者の皆さまが2009年に作ったものですが、今般、市原悦子さんが札を読む音声CDと幻聴妄想かるたが生まれた場所DVDがついて再登場しました。
かるたは、このグループが精神障害者の幻聴や妄想の体験を、一般の人にも理解してもらおうと作成されました。実際に精神的困難を体験しておられる方々の感覚が伝わってくるような札がならんでいます。
たとえば、
・「に」にわとりになった弟と親父
・「へ」ヘリコプターとジェット機はアメリカ軍諜報機関 監視されている
・「て」テレパシーがやってきて 自分の望みがすべてかなった
・「ほ」星が人々だと思って叫んでいた
・「こ」コンビニに入るとみんな友達だった
・「ち」ちょっとだけ将来を考える 後頭部に違和感を感じる
心理教育などの実践からも感じるのですが、このかるたでも、出てくる「幻聴」とか「妄想」といわれる困難を抱えている方の経験は、いわゆる「ふつう」だと思っている人となにか決定的に違っている、というものでもなさそうなところもあります。しして、個々の人が心のスクリーンに映して観ている世界、と「妄想」とはどうちがうんだろうか、と考えてみたりもします。
なんといってもユニークなのは添付CD”市原悦子の読み札音声”です。私にとって市原悦子さんといえば、「まんが日本昔ばなし」です。あのナレーションそのものの愉快な声で、かるたが読み上げられるのです。面白くて楽しくて、作業療法スタッフと盛り上がってやりました。
さらに付いているDVD”幻聴妄想かるたが生まれた場所”ではそうした、精神的困難の経験者の人たちの作業所における共同生活の一部も紹介されています。
さらには「露地」と題された冊子が入っており、かるたのそれぞれの札の解説や楽しい遊び方に加えて、ハーモニーのメンバーさんたちの体験も記載されており、とっても充実した内容になっています。
精神障がいをお持ちの方を理解する、偏見をなくすことについて、このようなご本人たちからの発信は重要だと思います。このような試みに対してさまざまな考え方、ご意見があるかもしれませんが、私たちは市原悦子さんの読み上げでかるたを楽しむことができました。
ハーモニーさまのブログはこちら(ご購入の案内もあります)→http://harmony.exblog.jp/
最後までお読みいただいた方、どうもありがとうございました。
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