第54回日本病院・地域精神医学会総会in沖縄
- 2011.10.07
- 日記
第54回日本病院・地域精神医学会は、きたる11月18日(金)・19日の両日、沖縄県宜野湾市にある沖縄コンベンションセンターで開催されます。弊法人からは、私と吉尾薬剤師が「精神科薬物療法セミナー」計4時間を担当します。精神科で薬剤指導をされている薬剤師のお仲間の方、精神科の薬物療法について知りたい、深めたい、疑問をはらすヒントを得たい、というスタッフ・ユーザー・市民の皆さま、どうぞご参加ください。会員以外の方の当日参加も歓迎しています。
総会の詳細はこちらのホームページからどうぞ→http://byochi54.okinawa-1.net/
10月14日までは事前受付を行っておりますので、参加費がお得になっています!
10月18日(金) 10:00-1200精神科薬物療法セミナー
司会:吉尾隆(東邦大学薬学部/住吉病院)
演者:中谷真樹(住吉病院/東邦大学薬学部)
『精神科薬物療法と就労支援』
今日、統合失調症を中心とした重度の精神疾患を持つ人に対しての就労支援が広く展開
されるようになった。IPS(Individual Placement and Support:個別職業紹介とサポート)
モデル援助つき雇用が有名になりつつあるが、リハビリテーションの枠組みで語られること
が多い。しかし、NAMIの2003年発表のデータベースでは、就職のためのバリアについての
アンケートでは「不適切な治療」は「職業リハビリテーションの不足より」多く回答されており、
薬物調整は就労支援に大きな影響を与えると思われる。
リハビリテーションの一方法として就労支援をとらえたり、夢を語り個別に配慮するだけでは
精神科医療機関の就労支援はとどまらない。薬物療法によって過鎮静や認知機能の障害
・運動機能の低下が起こることが少なくないからである。今後は就労支援の場面でも、処方
の調整が重要な位置を持つようになると予想され、支援チームおいても精神科専門薬剤師
による積極的な関与が期待される。
10月18日(金)13:00-15:00ワークショップ
司会:吉尾隆(東邦大学薬学部/住吉病院)
□□:中谷真樹(住吉病院/東邦大学薬学部)
『薬剤師からみた困った症例-薬剤師の関わり方-』
2008年6月に厚生労働省から「安心と希望の医療確保ビジョン」が出さた。その中にも「医
療機関に勤務する薬剤師がチーム医療の担い手として活動するために、病棟等での薬剤
管理や、医師・看護師と患者・家族の間に立ち服薬指導を行うなどの業務の普及に努める。
また、医薬品の安全性確保や質の高い薬物療法への参画を通じ医師等の負担軽減に貢
献する観点から、チーム医療における協働を進めるとともに、資質向上策の充実も図る。」
ということが述べられている。精神科領域の薬剤師への期待は高まっている。
精神科では長い間多剤併用大量療法が問題視され、精神科薬物療法における明確な
指標不在のまま薬物療法が行われているという問題点が指摘された。さらには、「薬物療
法の最適化」を目指すとあるものの、誰にとって最適なのか、についての議論はいまだ
不十分であるかもしれない。
一方で、特に対医師において、薬剤師は効果的に処方を提案したり、チーム医療における
連携のあり方について困難を感じることが少なくないとされている。
今回は、沖縄において臨床で頑張っている3名の薬剤師から実践で「困っている症例」に
ついての報告を行っていただき、ワークショップ形式でより良い薬物療法を目指すための
学びの場を持ちたいと思います。
※薬剤師に限らず、多くの皆さまのご参加をお待ちしています。
最後までお読みいただいた方、どうもありがとうございました。
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