日本精神科病院協会精神医学会にて
- 2010.11.15
- 日記
11月12日、富山で開催された第38回日本精神科病院協会精神医学会に参加して、シンポジウム4
「地域移行における医療と福祉 ~送る力・支える力・つなぐ力~」のシンポジストとして 「リカバリーをめざす退院促進と地域生活支援」というテーマで話をさせていただきました。論旨としては、リカバリーには定まった定義というものはなく、精神的な困難からの回復という文脈における新たな道のりにおいて、病院からの退院=地域移行はリカバリーのゴールではないという観点から就職と職場定着の支援についてお話しをし、その始まりは入院中の方にも適応することが可能であるというものでした。
私以外にも4名のシンポジストが登壇され、
「精神科救急病院における退院後の支援体制」
「退院調整、地域生活定着支援における看護の役割」
「チームによる退院促進と地域生活支援のとりくみ」
「精神障害者の地域移行支援の現状」
について学ばせていただきました。
会場jを含めたいろいろなご意見を伺う中で、病院からの地域に送り出す力、地域で病院から社会に再参加された方を支える力、そしてそれをつないで一人の人が笑顔で地域で元気に生きて行かれるようにする力の協調が大切だという感想を持ちました。
今の自立支援法を中心とした制度では居住施設は増えていかないのではないか、と座長からご指摘がありました。人員を不採算なところに投入するのは大きな問題になるということがはっきりし、またケアマネジメントが重要であることもはっきりしました。病院での実践には限界があるが、地域でのサポートをする居住施設とソフトが不足していることも事実で、分かりにくい情報をつなぎ、地域で安心安全に暮らす、そして市民としてどのように暮らせるようになるのかについてを考えるときに、スタッフの質量とそれを裏支えする経済も重要だと思う、とのまとめでした。たいへん学びの多いひと時でした。
最後までお読みいただいた方、どうもありがとうございました。
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