2009年度の障がい者雇用状況

さる5月7日、厚生労働省は昨年度の障がい者就職状況(ハローワークを通じた人)などを発表しました。これによれば、昨年度に就職した障がい者は45257人でその前の年度より1.8%増でした。障がいをお持ちの方が働くことにチャレンジしようとする意欲の高まりと、雇用促進法の改定などによって企業が障がいをお持ちの方の雇用に積極的になっていることも原因なのかもしれません。

中でも、精神障がいをお持ちの方は前年度より15.6%増えた10929人が就職され、これは過去最高だそうです。就職率をみても身体障がいをお持ちの方が34.0%に対して精神障がいをお持ちの方のそれは32.8%に達しており、近年各地で取り組んできているメンタルヘルスの就労支援者の方々、働きたいというご本人の努力が数値という形になってあらわれてきたものと、うれしくなりました。

厚生労働省のプレス・リリースはこちら
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000006572.html

(別添)平成21年度における障害者の職業紹介状況等
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r98520000006572-img/2r9852000000658k.pdf

一方で、平均月収は身体障がいお持ちの方254000円・知的障がいをお持ちの方118000円、精神障がいをお持ちの方は129000円でした。精神障がいをお持ちの方は週の労働時間が30時間に満たない短時間労働が多いことが原因かもしれませんが、ひょっとして、この働くことの中に「授産施設・福祉工場・作業所」が含まれているのではないか、という気持ちがわきました。

産業ごとの就職状況では、精神障がいをお持ちの方の就職先1位は「医療福祉」で、以下「卸売小売業」・「サービス業」・「製造業」・「宿泊飲食サービス」でした。私どもの法人でも障がいからリカバリーの道を歩んでいく同僚の人たちの力強さを実感することは数知れずあり、さまざまな分野で精神的困難を体験した方々が、その体験をいかして、後からリカバリーをすすもうとしている人々に希望を与えておられますが、私たちが重視しているのは最低賃金を上回ること、障がいをお持ちの方だけの部署を作らないことです。

さまざまな困難を体験された方が一人でも多く、その方らしく、働きたい人は働いて、自分の人生を自分で決めることができるようになれるように、これからも応援していきたいと思いました。

最後までお読みいただいた方、どうもありがとうございました。