IPS勉強会・山梨県立大学にて
- 2009.11.25
- 日記
11月25日に第16回IPS勉強会を、山梨県立大学飯田キャンパスにて行いました。今回も多くの施設からのご参加をいただきました。
今回は 『ストレングスモデル-第一章 歴史、批判、有益な概念』を、県立大学の大塚ゆかり先生にまとめをご発表いただき、話し合いをしました。
歴史的な流れからメンタルヘルスに困難を得た方々を支援する方法論が形作られてきましたが、今日それらの精神保健福祉システムが、ご本人のリカバリーのための「ベルリンの壁」となっていることは支援の仕事をしている私たちにとっては、意識をして持ち続けたい視点であると思いました。
リカバリーは過程でもあり、転帰でもありますが、過程としてのリカバリーは「旅は、自分の感覚を取り戻すこと、セルフケアの責任、精神保健システムを超えた人生を含む」とありました。そしてそれを阻もうとするベルリンの壁があるとされています。
抑圧の根源:ベルリンの壁
第1に、苦悩と能力障害をもたらす症状によって打ちのめされる可能性がある。
第2に、社会における支配力、社会で確立しているケアの仕組みとの闘いである。
1)心理主義
2)貧困
3)恐怖感
4)専門家による実践
5)精神保健システムの構造
転帰(成果)としてのリカバリーは以下のものを含んでいます。
・希望(を持ち続ける)
・復元力(レジリアンス)
・統合、ノーマライゼーション、市民権
・生態学的視点
・環境のストレングス
資料にあった、アメリカのバーモント州での調査結果「何が違いを生み出したのか?」は興味深いものでした。リカバリーの要因になったものを調査したところ、それらは次のようなものだったそうです。
1.世間並みの服装&食事
2.つき合う人々
3.実り多い生活の仕方
4.症状を管理する方法
5.地域の一員である方法
6.個別化された治療
7.サービスにおける柔軟性
8.ケースマネージメント
大塚先生、みなさまありがとうございました。なお、次回IPS勉強会17回は年末の交流会として12月9日(水)に開催されます。多くの方のご参加をお待ちしております。
お問い合わせはすみよし障がい者就業・生活支援センター
→http://www.sumiyoshi-hp.or.jp/center.html
または住吉病院までお願い申し上げます
→http://www.sumiyoshi-hp.or.jp/mail.html
最後までお読みいただいた方、どうもありがとうございました。
(wrote:財団法人 住吉病院)
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