睡眠薬による異常行動
- 2007.08.24
- 日記
睡眠薬の処方量が多いとされているわが国ですが、アメリカでは、アメリカ食品医薬局(FDA)が、あちらで処方されている13種類の睡眠導入剤に、重篤なアレルギー反応と、記憶が残らないまま運転するなど、睡眠中の行動異常を起こす副作用の危険があるとして、3月14日に添付文書の改訂と、その内容を文書で医療機関に周知するように製薬会社に指示しました。
わが国でも、睡眠導入薬による「奇異反応」としての夢中歩行や脱抑制的行動は有名で、トリアゾラムなどは精神科医療機関では処方をしないところも少なくありませんが、FDAの通達では、それ以外にもわが国で製品化されている薬のうちゾルピデム、フルラゼパム、クアゼパム、エスタゾラムなどがあげられています。ご老人が睡眠導入剤を飲まれて夜間不穏になってしまうことや食行動の障害のある方に睡眠薬を処方して、夜中の喫食の問題が増強することなども、こういった好まざる作用によるものなのかもしれません。13種類の薬はFDAよりのコピペでは以下の薬です。
Ambien, Ambien CR (zolpidem tartrate)
Butisol sodium
Carbrital (pentobarbital and carbromal)
Dalmane (flurazepam hydrochloride)
Doral (quazepam)
Halcion (triazolam)
Lunesta (eszopiclone)
Placidyl (ethchlorvynol)
Prosom (estazolam)
Restoril (temazepam)
Rozerem (ramelteon)
Seconal (secobarbital sodium)
Sonata (zaleplon)
わが国では睡眠薬の長期漫然投与が、精神疾患の方の回復を阻害しているとは、常々指摘されてきたところですが、わが国でも安全な向精神薬の処方にむけた関係者の努力が必要だと思います。
FDAのNEWSリリースはこちら
http://www.fda.gov/bbs/topics/NEWS/2007/NEW01587.html
(wrote:財団法人 住吉病院)
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