退院支援施設

 

過日、わが県にある公立の単科精神科病院である県立北病院に就任の挨拶に行ってきました。ここは薬物療法は全国でも有数のレベルにあり、また、 2004年以降で300床から200床に減床するなど、退院促進にも力を入れています。

長期在院者の退院促進については、院内に退院促進委員会をつくり、定期的に退院計画をあげさせて、各病棟の看護師長が経過を報告するシステムを作り上げているそうです。 

 さて、この病院に隣接した県の敷地には、退院支援施設が設立され、公設民営の方式で運営されていました。退院支援施設については、「精神科病床数の削減」のために、既存の病棟の転用、すなわち「看板を架け替える」形式での設置について厚生労働省が容認したために、「退院を促進するのではなく、新たな施設収容となるのではないか」と大きく批判を受けているのですが、北病院では病棟を削減するにあたって、H13年秋に県とも協議の上で県の敷地に20人が居住できる援護寮を建設して県立民営(社会福祉法人)で予定していたところ、その後いっこうに話が進まずに計画が頓挫してしまったということでした。その後H17年に自立支援法制定に伴い、収容人員は30人規模でないとだめだといわれて、他の選択肢がない中で退院支援施設になったという経緯があるのだそうです。病院長にお話を伺うと「国の方針が定まらないために大変苦労をしたが、院長としては、この施設は病棟削減後の一時的通過施設と考えており、入居期限も設定してもらいたいと思っているとのことでした。

病気が快癒した後も、精神科病院に入院を続けておられる方は、まだまだこの国にはたくさんいらっしゃいます。一人ひとりの方が、ご自身の街にもどって生活できることを目指したいと思います。当院でも、グループホーム、援護寮などを設置していますが、一人でも多くの方に地域生活を回復していただきたいと願っております。

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(wrote:財団法人 住吉病院