個人的視点による2019年10大ニュース

皆さま、今年も大変お世話になりました。弊法人は今年もさまざまな活動をしてまいりましたが、2019年1年を振りかえって、個人的に選んだ10大ニュースを発表させていただきます。

1.改元:新元号は令和
  今年4月、平成の天皇陛下がご退位されて上皇となられました。そして新たに
  皇太子徳仁親王殿下が5月1日午前0時、第126代天皇に即位されました。新た
  な
元号「令和」は、「万葉集」から引用されたものといわれました。しかし、実際には
  新年後は「令」と「和」は別々に存在するもので、新しい単語であるとみることができ
  るようです。「万葉集」の文脈における「令」という漢字は、「うるわしい」、すなわち、
  美しい、魅力的な、華やかな、といった意味で使われているそうです。
  うるわしく、和を大切にする時代とはどんなものなのか、私たちが作っていく気持ち
  が大切など思います。

2.ラグビーワールドカップ日本大会開催
  9月20日から11月2日にかけて、アジアで初めて開催されるラグビー・ワールド
  カップ(RWC)
日本大会が行われ、ホスト国である日本代表は、グループリーグを
  4戦全勝の
1位で突破し、史上初の8強入りを果たしました。さまざまな出自の
  違いを乗り越えた日本
代表は文字通り”ONE TEAM”として国民に大きな感動を
  与えました。それと同時に
世界中からやってきたラガーやサポーターの方々との
  交流は、分断を常とするこの世の中でつかの間の「world in union」を感じさせて
  くれました。かつてラグビーをプレイしていた私にとっても夢のような時間でした。

3.中村哲医師、アフガンに死す
  
アフガニスタンを支援するNGO「ペシャワール会」の現地代表の中村哲医師は
  12月4日、アフガン東部を移動中に武装集団に銃撃され、73歳で亡くなりました。
  中村先生は1984年以来、パキスタンなどで医療活動に従事しておられましたが、
  2000年にアフガンで起きた大干ばつを機に、井戸や農業用水路の整備などに
  取り組んでこられました。政治的な主義主張に担がれそうになったり、逆にいわれ
  なき批判を投げつけられながらも、ただ、現地の方たちのために働いてこられた
  すえの悲劇でした。「誰もがそこへ行かぬから、我々がゆく。誰もしないから、我々
  がする」という中村先生の言葉は私に強く刺さりました。

4.サポートハウスとびら活動開始
  本年4月から弊法人では新しい部署「サポートハウスとびら」が活動を開始しまし
  た。「サポートハウスとびら」は、
弊法人でこの10年間に2回行われた法人横断的
  な方向性検討会議「リカバリー期成会」の第2期リカバリー期成会からの提言に
  基づいて新たに設置された部署で、医療でも福祉でもない法人と地域のための
  活動を行っています。設置に際しては
法人内の立候補者からピアサポートに思い
  を持つ5名のコアスタッフとサポートメンバーが承認され、活動しています。
  「サポートハウスとびら」は住吉病院でもリカバリーセンターすみよしにも所属して
  いません。医療でも福祉でもなく法人が直接活動を行っていく部署です。法人と
  地域社会がもつ様々な課題に新たな視点で取り組んでいます。皆様の引き続き
  のご支援をお願いいたします。
  サポートハウスとびらのブログはこちら→
https://supportobira.blogspot.com/

5.ヴァンフォーレ甲府またも昇格ならず
  昨年、1年でのJ1復帰をはたせなかった甲府は、今年は春先に好調な滑り出し
  をみせて第7節終了時には順位1位となり、「今年こそは!」の思いを強くしまし
  たが、徐々に失速
。11節から13節の3試合での勝ち点はわずかに1となり、一気
  に順位を下げました。最終盤で連勝し順位は第5位、20勝11分11敗の5位と、昇
  格プレーオフ圏内に入りましたが、初戦で徳島に引き分けて万事休す。来年も
  J2リーグとなりました。年末の移籍/契約更新の状況も楽観できないものが
  ありますが、来年はぜひとも頑張ってもらいたいと思います。それにしても、やはり
  過酷なJ2リーグ戦では失速は命取りと思いました。

6.東日本で水害続く
  今年の9月から10月にかけて東日本では、立て続けに台風大雨被害が発生し
  ましたた。10月12日に上陸した台風19号は、関東地方や福島県を通過し、東
  日本の広い範囲で大雨となりました。東北地方や関東地方を中心に140か所で
堤防が決壊し、浸水や土砂崩れなどで死者は90人を超えました。その前の9月
  9日上陸の台風15号では、千葉県を中心に約90万軒が停電し、長期間に広範囲
  で生活困難が続きました。さらにおいうちをかけるように10月25日の台風21号は
  各地で記録的な大雨を降らせ、ラグビーワールドカップでは3試合が中止となり
  ました。釜石で開催される予定だったナミビアvsカナダ戦では、中止当日に、現地
  入りしていたファンたちが試合開始の時刻に大漁旗を振り、ナミビア・カナダ両国
  の代表選手たちは現地のボランティアを行うなど、ここでもラグビーのすばらしさ
  が再認識されました。

7.ノーベル化学賞に吉野彰氏
  スウェーデン王立科学アカデミーは2019年のノーベル化学賞を、リチウムイオン
  電池を開発した旭化成の吉野彰・名誉フェローら3人に贈ると発表しました。リチ
  ウムイオン電池の発明はさまざまなIT関連機器やスマートフォンなど現代社会に
  多大な影響を与え、化石燃料に頼らない社会の実現に向けた貢献が評価された
  ものです。これで昨年の
本庶佑に続いて日本のノーベル賞受賞は27人目(うち
  米国籍2人)となり、化学賞では8人目となりました。
8.香港での抗議デモ続く
  香港で6月にはじまった香港と中国両政府に対する抗議デモは100万人規模(主
  催者発表)になりました。若者を中心とした民主派による抗議運動は数か月たっ
  ても収束のきざしをみせず、デモ隊と警官隊の衝突の激化は香港社会へ大きな
  影響を与えました。
香港は1997年のイギリスからの返還以来、中国の「一国二
  制度」下で
50年間は資本主義が保証され、「高度な自治」が認められていますが、
  返還後50年を前にして市民は民主主義への危機を感じていることがこの長期
  抗議活動の背景にあると考えられています。
 
9.消費税率、10%に増税
  今年の10月、消費税率が約5年間続いた8%から10%に引き上げられました。
  外食や酒類を除く飲食料品などの税率を8%に据え置く軽減税率制度や、キャッ
  シュレス決済を対象にしたポイント還元制度も同時に導入されました。増税に
  よる増収は、社会保障の充実や、幼児教育・保育の無償化などに充てられる
  そうです。前回の増税後の落ち込みに対応するために、政府は軽減税率や
  ポイント還元などの下支え策を打ち出しましたが、キャッシュレス決済に必要な
  カードを持たない方もおられる障がいをお持ちの方々への配慮については不
  十分かもしれず、今後増税で得られた国の収入がどの程度福祉に回るのかを
  注視する必要がありそうです。
10.京都アニメーションへの放火殺人事件
  7月18日、京都市にあるアニメ制作会社「京都アニメーション」で、男がガソリンを
  まいて火をつけ、第1スタジオが全焼、死者は36人、負傷者33という、平成以降
  最多の死傷者が出るという悲惨な事件がありました。逮捕された容疑者は会社
  に対する一方的な恨みを募らせていたとの報道もあり、また、京都府警は、「精神
  的な疾患があるとの情報を把握している」と発表し、報道されました。わが国の
  マスメディアは、1964年に駐日米国大使が刺された「ライシャワー事件」の報道
  以来、「精神障がい者野放し論」に与してきましたが、今回はNPO法人コンボが
  精神障がいをお持ちの方への差別助長危惧する声明を発信し、SNS上でも差別
  をあおる発信もある一方で、事件直後から「精神疾患と犯行を安易に結びつけな
  いで」という注意喚起の声があちこちに上がったといわれています。

次点.山交百貨店閉店
  1954年、前身の甲府松菱開業以来、65年にわたり甲府で百貨店を営んでいた
  山交百貨店が本年9月末をもって閉店しました。長年にわたり駅前で買い物に
  お世話になっていましたが、残念なことです。
今後は家電専門店が入るという話
  もきいていますが、これで甲府の百貨店は岡島さんだけになりました。

さまざまなことのあった2019年、平成から令和へと元号も変わり、令和で最初の年越しになります。皆さまどうぞよい年をお迎えくださいますように。

最後までお読みいただいた方、どうもありがとうございました。