ストローク
- 2007.09.09
- 日記
対人関係をわかりやすく捕らえるのに利用されている理論のひとつ、交流分析(Transactional Analysis:TA)では、さまざまな人間関係の中で生じる心と心のふれあいを”ストローク”と呼んでいます。そしてTAにおいては、人はこのストロークを得るために日々活動していると考えられています。
ストロークには4つの種類があるといわれています。
1.陽性のストローク 「愛情」「承認」「報酬」など、人を喜ばせたり気分を良くさせるものをいいます。
2.陰性のストローク 「非難」「攻撃」「叱責」「疑惑」など、相手の価値を切り捨てるようなものをいい、この相手を受け入れないような姿勢を”ディスカウント”と呼んでいます。
3.条件つきのストローク 相手の人にストロークを与える場合に、なんらかの条件がついている場合、たとえば「言うことを聞いたら、なにかしてあげる」というもので、組織ではモチベーションアップのためにインセンティヴ(成功報酬)などの形で存在しています。
4.無条件のストローク 3.とは逆に、無条件に「あなたを大切に思っている」ととか「あなたがいて幸せです」などの相手の存在そのものを肯定するストロークは強力です。しかし、一方で、存在そのものを全否定するような「いなくていいよ」のようなものは、非常に恐ろしい影響を人に与えます。
そして、人間関係において、どのような形でストロークはやりとりされるのでしょうか。そのパターンは次のようなものとされています。
1.無条件で陽性のストロークを得ていると、人の心は安定している
2.陽性のストロークが不足すると陰性のストロークを集め始める
問題行動を引き起こす人の根底にはストローク不足があると仮定しています。
3.条件付きストロークだけを得ていると、陰性のストロークを集め始める
条件付きストロークは一時的なものなので、やはりストローク不足になってしまう
4.陰性のストローク集めは、陽性のストロークが与えられないと延々と続く
相手の不快な行動にいちいち答えていると堂々巡りになってしまう
5.ストロークのないことは人にとって最大のディスカウントである
一番のイジメが「シカト」「無視」であるのです
いろいろな対人関係や組織の中の雰囲気で悩んでいる場合には、こういったわかりやすいパターンの中の何にあてはまっているのかを考えてみると、冷静なアイディアがうかぶかもしれません。
(wrote:財団法人 住吉病院)
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